「低緯度オーロラ」の「低緯度」ってナンダ?

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「太陽フレア」と「オーロラ」のニュース

ウェザーニューズ 太陽フレアに伴う磁気嵐で「低緯度オーロラ」が出現 5月11日(土)夜https://weathernews.jp/s/topics/202405/120045/


・「太陽フレア」が発生している影響で、2024年5月11日頃からさまざまな影響が出るかもしれない
・普段見られない地域でオーロラが見えるかもしれない

などの情報が含まれたニュースです。

連日報道されていましたが、「低緯度ってなんだろう?」「低緯度ってどこのこと?」という疑問を抱えている人に向けて「低緯度」について、わかりやすく説明したいと思います。

【用語の解説】
太陽フレア
太陽で起こる爆発現象のこと。(フレア=燃え上がる という意味らしい)
これによって電磁波やエネルギー、ガスなどが放出され、それが地球にさまざまな影響を及ぼす。

「低緯度」の意味

「低緯度」とは、緯度が低いという意味です。
緯度0度または緯度0度に近い(数字が小さい)ほど「低緯度」となります。

言葉で説明するとこんな風になりますが、図を使って説明していきますね。

「低緯度ていいど」と「高緯度こういど」

緯度ってなに?

緯度とは、赤道から北と南にどれだけはなれているかを表したものです。

赤道を0度、北極点(地球の北側のてっぺん)と南極点(地球の南側のてっぺん)を90度として
地球を南北に分けているのが緯度
です。
【緯度のイメージ(北半球)】

北緯と南緯

【全体のイメージ】

(わかりやすくするために単純化して作図しています。細かいところは正確ではありません。)

ポイントは
赤道(緯度0度)を基準としていること
赤道(緯度0度)よりも北を「北緯ほくい」ということ
赤道(緯度0度)よりも南を「南緯なんい」ということ

このように、南北で分けているので「緯度30度」といっても
「北緯30度?」「南緯30度?」どっち?となってしまうため、
「北緯」なのか「南緯」なのかはしっかり確認しておきましょうね。

低緯度とは?高緯度とは?

さて、この「緯度」についてですが、赤道から離れるほど数字が大きくなっていますね。
低緯度と高緯度を理解するには、この数字に注目するのが大切なポイントです。

数字が大きいほど緯度が高いからです。そして
数字が小さいほど緯度が低い、ということでもあります。

つまり、最も緯度が高いのは「北極点」と「南極点」であり、最も緯度が低いのは「赤道」ということになりますよね。
下のような図のイメージです。
【数字が大きくなるほど緯度は高くなる】

なのでこうなります↓

【低緯度と高緯度】


つまり緯度0度(赤道)を基準として、
北緯90度または、北緯90度に近い(数字が大きい)ほど「高緯度」
南緯90度または、南緯90度に近い(数字が大きい)ほど「高緯度」
赤道(0度)に近い(数字が小さい)ほど「低緯度」
ということになります。

※教科書的には、北半球・南半球でそれぞれ
0度~30度付近=低緯度
30度~60度付近=中緯度
60度~90度付近、北極点・南極点=高緯度
などの表現をします。

「低緯度オーロラ」

ここからは、2024年5月のニュースで連日報道されていた「低緯度オーロラ」について解説します。

オーロラが見られる地域は限られています。
調べたところ(サイトによって数字に差がありましたが)、
だいたい「北緯60度くらい~北緯80度くらい」の間というのが多かったので、ここではざっくりと「北緯60度~北緯80度」という前提で説明します。

【日本の位置とオーロラが見られる地域」

(分かりやすくするために単純化して作図しています。細かいところは正確ではありません。)

日本列島はおよそ「北緯20度~北緯46度」に位置しています。

ふだんオーロラが見られる地域である北緯60度~80度は、
北極点(90度)に近い(緯度が高い)ので「高緯度」といえます。
(ちなみにこの範囲のことを「オーロラベルト」と呼ぶそうですよ)

「太陽フレアの影響でオーロラが低緯度でも観測された」、というニュースが全国をかけめぐっていましたが、ここでの「低緯度オーロラ」の意味としては、
ふだんはみられない場所(北緯60度よりも南の地域)で観測されたオーロラ」のこと、と解釈しますね。
(先ほど記述した低緯度・中緯度・高緯度を覚えた人は混乱してしまうかもしれないので)


「北海道でオーロラ!」
「石川県でも!」
などSNSでも多くの発信を目にしましたが、

2024/05/13 22:21配信 東海テレビ放送 ニュースONE
北の空に“赤い光”…愛知でもオーロラ撮影に成功か 天体好きの大学生「見えるかも」と聞き急遽カメラ構える

なんと、2024年の5月12日未明に「愛知県」で観測されたかもしれない、というのです!
北緯35度の愛知県でです。

愛知県東栄町(北緯35度)までオーロラが見えたことになると、
この日は、北緯35度~北緯80度の場所でオーロラが観測できたことになります。
ビックリですよね!

【愛知県でオーロラが見えた】

(分かりやすくするために単純化して作図しています。正確な資料ではありません。)

まとめ:「緯度」「低緯度」「高緯度」

・(イメージとして)球体を横に真っ二つに切った線を緯度0度(赤道)とする
赤道(緯度0度)が基準になる
赤道(緯度0度)よりも北を「北緯ほくい」という
赤道(緯度0度)よりも南を「南緯なんい」という


緯度0度(赤道)を基準として、
北緯90度または、北緯90度に近い(数字が大きい)ほど「高緯度」という
南緯90度または、南緯90度に近い(数字が大きい)ほど「高緯度」という
赤道(0度)に近い(数字が小さい)ほど「低緯度」という

2024年5月に観測された「太陽フレア」の影響で、低緯度の地域でもオーロラが観測されました。
美しい写真と共に、その影響を目の当たりにして自然の力のすごさを感じたわたしです。

それと同時に、このニュースを目にしてふと思いつき、私自身が昔同じ疑問を持ったことがあったので、この内容について解説してみようと思いました。
「低緯度ってどこのこと?」「低緯度ってなんだろう?」という疑問を持った皆さんの力になれたらうれしいです。

ここまで読んでくれてありがとうございました!

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